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機関誌「エフ」

Fプロジェクト 第4回 明治安田生命保険 篇

Jリーグタイトルパートナー&みんなの健活プロジェクト 「Jリーグと描く共創の未来図」

 明治安田生命は、2019年1月、2015年から続くJリーグ(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)とのタイトルパートナー契約を更新した。両者のパートナーシップは、一般的に思い描く冠スポンサーと競技団体という概念を超えたと評されている。それを象徴するのがJリーグだけでなく、J1、J2、J3の全55クラブと結んでいる個別のスポンサー契約だ。タイトルパートナーとして、Jリーグの、また全国のJクラブの真のパートナー(=相棒)となるための、明治安田生命の奮闘の日々を追った。

Jリーグの理念に共鳴

 明治安田生命とJリーグの歩みは2014年、誕生したばかりのJ3リーグとのタイトルパートナー契約、そして、J1、J2リーグとのトップパートナー契約から始まった。 当時の明治安田生命の思いについて、取り組みの当初から中心的な役割を担ってきた西山英之さんは、次のように振り返る。 「地域のお客様にもっと近づきたい、親近感を持っていただきたい、そのためには保険という本業以外の分野で、お客様と接する機会やコンテンツを持ったほうが良いのではないかという発想からのスタートでした」
  その糸口を探っていく中で、「地域に根差したスポーツクラブを核として、豊かなスポーツ文化を醸成する」というJリーグの理念に共鳴する点が多いことに気づいた。各都道府県に支社・営業所を持つ明治安田生命とJリーグなら、一緒に様々な取り組みができるのではないか。2月末から12月初頭までシーズンが続くことも、各地域のJクラブと行政のつながりが深いことも、パートナー契約を結ぶ上で重要なことに思えた。
  2014年のシーズンが始まり、「パートナー契約で得た権利をどう活用すればよいのか」と試行錯誤する日々が続いた。全国の支社・営業所それぞれが、地元のJクラブと共にサッカー教室などのイベントを開催し、地域や人々との コミュニケーションを深めようとした。様々なアプローチを試みたが、当初、思い描いていたような取り組みができないまま1年が過ぎた。

2018年12月、明治安田生命保険相互会社は「Jリーグタイトルパートナー契約」の更新を発表。契約書を掲げる根岸秋男社長(右)とJリーグの村井満チェアマン。

全国のJクラブと個別にスポンサー契約

 Jリーグはあくまでも全国各地のJクラブを統括する組織であり、各Jクラブはそれぞれ独立した組織として運営されている。会社組織のような意思伝達の流れがあるわけではない。発足や成り立ちはもちろん、資金力も置かれた環境もクラブごとに異なる。
  「このままでは、全国各地でJクラブを通じたコミュニケーションを深めるという目的の達成は難しい…」。西山さんも、そして当時、営業企画部で共に支社・営業所とJクラブのつなぎ役を担当していた佐野剛史さんも、そのことを実感していた。
  折しも、Jリーグは、2015年シーズンからJ1、J2、J3の全カテゴリーをひとつにしたJリーグのタイトルパートナー制度を新設。明治安田生命はタイトルパートナーへ名乗りをあげた。そして同時に、大きな決断を下す。Jリーグだけでなく、J1、J2、J3の全52クラブ(当時)と個別にスポンサー契約を結んで支援することを決めたのだ。各都道府県の支社・営業所が地元Jクラブのスポンサーになること。それは、地元Jクラブやサポーターの懐に自ら飛び込むことで密な関係性を築きあげる、という決意表明でもあった。
  2014年12月、翌年1月からのJリーグとのタイトルパートナー契約を前に、全国の各地域の明治安田生命と地元Jクラブとの個別契約交渉に取りかかった。最も厳しい1年が始まろうとしていた。西山さんと佐野さんは、地元Jクラブに対してどういう内容でどのようにスポンサー契約の交渉を進め、どんなことを共に実現したいのかを、各支社・営業所に何度も何度も説明した。各地の各担当者たちは契約を結ぶために地元Jクラブに足を運んだが、歓迎するクラブばかりではなかった。意図がなかなか伝わらず、すんなりと契約に至らないJクラブもあった。西山さんと佐野さんは、難航している地域の担当者に誠意と熱意をもって丁寧な説明とアドバイスを繰り返し、時には交渉の現場に赴いて個別契約がひとつひとつ成立するのを見守った。環境も条件も異なる各Jクラブとの交渉は、長いもので数ヵ月に及んだ。全クラブとの個別のスポンサー契約が完了したときには、2015年シーズンがすでに開幕していた。

左/「軌道に乗るまでの取り組みすべてが、初めてのことばかりでした」と語る西山英之さん。当初の出来事は今も鮮明に思い浮かぶという。
右/2014年度に「Jでつながろうサッカー教室」を展開して以来、各支社が地元クラブと協力し、小学生向けサッカー教室を開催している。

  一方、社内ではJリーグを応援するという意識を根付かせるための取り組みが行われていた。「なぜサッカーなのか」「Jリーグを全社で応援することにどんな意義があるのか」。そんな声に応えて理解を深めてもらおうと、西山さんや佐野さんは、各支社・営業所のイベントや研修会で説明を重ね、Jリーグ選手OBを招いてサッカーの魅力を伝える機会も設けた。また、女性従業員が多い社内で女性のサッカーファンを増やすために、「明治安田生命Jリーグ女子倶楽部」が発足した。 単にそれぞれのクラブとの契約を結ぶことが目的ではない。契約後、クラブや地元サポーターとの関係性をどれだけ深められるかが重要だった。クラブもサポーターもみんなが喜んでくれること、それはスタジアムに足を運んで試合を観戦してくれる人を増やすことではないか。そう考えて観客動員にも力を入れることにした。従業員一人ひとりが応援するクラブを決めて観戦に行くのはもちろん、地元のお客様も誘ってスタジアムに行こう。お客様を試合に招待することで、Jリーグの魅力やスタジアムの雰囲気を実感していただこう。そう呼びかけ、観戦協力を推進した。
  その結果、タイトルパートナーになってからの観客動員は今年3月、累計で100万人を突破。Jリーグも各地のJクラブも、明治安田生命は本気で自分たちを応援し、地域への貢献を考えているのだと理解してくれるようになった。子ども向けのサッカー教室や、社会人向けのフットサル大会など、Jクラブと協力した企画が全国で開催され、盛り上がりを見せる体制が整っていった。
  関係者の胸を熱くしたエピソードがある。2015シーズンの後半の熊本。試合終了後、ロアッソ熊本のチームカラーの赤で彩られたゴール裏サポーター席に「ありがとう明治安田生命」の横断幕が掲げられた。そして、「明治安田! 明治安田! 明治安田!」と感謝のコールが沸き起こった。この日、明治安田生命が案内した多くの観客がスタジアムを訪れて観戦を楽しんでいたのだ。地元クラブのために観客動員数を増やし、懸命に応援する。まさにその思いが通じた、願いが叶った瞬間だった。サポーター席を見上げた熊本支社長は、感激して涙ぐんだという。
  その知らせは西山さんにとっても佐野さんにとっても感慨深いものだった。
  「Jクラブを中心にした地域コミュニティの中に、明治安田がしっかり入り込むことができたと感じられた瞬間でした」

社会人を対象とした「明治安田生命フットサルフェスタ」は2017年度からスタート。昨年度は近畿地区の代表チームが優勝した(写真)。本年度も頂点を目指して熱戦が繰り広げられている。
左/2015年、ロアッソ熊本サポーターから盛大な感謝のコールが湧き起こった。地域との一体感が確実となった。
右/Jリーグ関連業務に携わるみなさん。右から草津さん、佐野さん、林さん、鶴田さん、平井さん。「自分たちだけではなく、従業員全員がプロジェクトメンバーです」。

COLUMN

女子目線でJリーグを応援 「明治安田生命Jリーグ女子倶楽部」

 明治安田生命がJリーグのタイトルパートナーとなった2015年、企画部の女性従業員が中心となってサークル的に誕生したのが「明治安田生命Jリーグ女子倶楽部(JJ倶楽部)」。「サッカーって実は面白いのに興味がないなんてもったいない!」と声をあげ、サッカー観戦を満喫するためにルールを知ることから活動を始めた。スタジアムに通ううちに女子目線の楽しみを知った各支社・営業所の女性従業員たちも続々と「JJ倶楽部」を立ち上げ、自然発生的に全国に増殖していった。サッカー選手の推しメンの話題、スタジアムグルメ、かわいいクラブのグッズなど、女性ならではのJリーグの楽しみ方を発信、社内外でのファン拡大に貢献している。年に1度、Jリーグを楽しむためのイベント「MY Bloom」が開催され、オンライン通信で本会場と各支社とがつながり、全国のJJ倶楽部会員の交流も図られている。

「MY Bloom」には各々が応援するJリーグチームのユニフォームを着用して参加し、様々なプログラムで会場は熱気に包まれる。サッカーへの理解と従業員の絆が深まっている。昨年は “光"をテーマに、サッカーと光アートのパフォーマンス などで賑わった。通信で全国とつながり1,100名が参加した。

「みんなの健活プロジェクト」発進

Jリーグとの信頼関係が深まる中、明治安田生命は、従来の商品・サービスの枠を超えて「お客さま」「地域社会」「働く仲間」との絆を深める新たなプロジェクトをスタートさせる。
  2018年9月に「みんなの健活プロジェクト」と名付けられたこのプロジェクトでも、Jリーグとの絆は大きな役割を担っている。
  そのひとつが、子どもから高齢者まで幅広く、多くの人が参加できるウォーキングイベント「明治安田生命Jリーグウォーキング」の実施だ。地元Jリーグ選手と一緒に歩く1日限定のイベントもあれば、ウォーキングを促す独自のアプリもある。昨年度は全国5カ所で実施し、それぞれ2000人以上の参加者を集めた。今年度は全国40カ所に拡大する計画だ。
  また、「みんなの健活体操 with Jリーグ」を考案し、Jリーグ選手が体操を披露する動画を配信、より多くの人の健康活動を楽しく支援している。
  さらにJリーグをきっかけに明治安田生命が自治体と連携、地方創生に関する包括連携協定を締結する事例まで生まれて、Jリーグと明治安田生命のパートナーとしての取り組みは、スポーツ競技団体とスポンサーの枠を超えた展開も見せている。
  西山さんは、「両者の関係は、共に創り出す、共創のフェーズに入った」と語る。
  Jリーグと明治安田生命が、これから共に創造する楽しい企画や価値あるイベント。それは「信頼を得て選ばれ続ける、人に一番やさしい生命保険会社」の未来図へとつながっているに違いない。

左/「みんなの健活プロジェクト」健活アンバサダーは左から村井満Jリーグチェアマンと松岡修造さんと広瀬アリスさん。
中/「明治安田生命Jリーグウォーキング」にはJリーグ選手もゲスト参加し、スタジアム会場ではイベントも。
右/「みんなの健活体操 with Jリーグ」には中村憲剛選手ら6名のJリーグ選手が出演、「健康に向けた前向きな活動」を呼びかける。
みんなの健活プロジェクト

公式サイト https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ld/kenkatsu/
「みんなの健活体操 with Jリーグ」の動画は明治安田生命のホームページ、「みんなの健活プロジェクト」公式サイトでご覧いただけます。

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