機関誌「エフ」

我が社の環境への取組み飛島建設篇

建設工事で地中に森を!!　－ LP-LiC工法 －

飛島建設は、恵み豊かな地球環境の保全の重要性を認識し、企業活動のあらゆる面で地球環境に配慮して行動しています。今回は、地球温暖化緩和に大きく貢献する 「丸太打設液状化対策＆カーボンストック（LP-LiC）工法」をご紹介します。

LP-LiC工法の概要

LP-LiC工法は、地震で発生する地盤の液状化の発生を抑制する工法です。丸太を地盤中に多数打設し、打設した丸太の体積分地盤を密実にすることで、長期的に安定で信頼性の高い液状化対策を実現します。
　液状化は、地下水位が浅い地盤で発生する現象です。このような地盤に丸太を打設するので、丸太は地下水位以深に没します。木材は、腐朽菌やシロアリにより劣化しますが、腐朽菌もシロアリも酸素がなくては生きていけないので、地下水位以深では活動できず、液状化対策で打設した丸太は半永久的に木材の状態を維持します。遺跡などをはじめ、このような環境下にあった健全な木材が多く発見されています。

温室効果ガス削減策の仕組み

樹木は、光合成により気体であった二酸化炭素を大気中から吸収すると、炭素を樹木として固定し、酸素を放出します。樹木を成長させることは、理想的な温室効果ガス（GHG）削減策です。
　炭素を固定した樹木は、伐採され丸太となっても炭素を固定し続けています。樹木を伐採し新たに植林すれば、さらに炭素の固定量が増えGHGを削減します。伐採した木材も燃えたり腐れば、木材として固定されていた炭素は気体となり再び大気に戻ってしまいます。したがって、GHGを大気中から削減するには、木材を木材の状態で大量かつ長期的に使い、木材の総体積を増やすことが重要になります。
　LP-LiC工法は、液状化対策と同時に、丸太を使うことで、地盤改良された地盤を炭素の貯蔵庫とするのが大きな特徴です。いわば、建設工事により地中に森を作るのです。

波及効果

LP-LiC工法は、地域材の活用による地域活性化、生物多用性の保全や水源涵養や土砂災害防止などの森林の有する多面的機能の発揮にも貢献します。
　当社は、地球環境の保全について長期的な視野に立って開発を行ってきています。